水曜日, 4月 03, 2024

羊水の記憶はないのだけれど…

 何歳ぐらいまでだったのか?明確には覚えていないのだけれど、小学校低学年ぐらいまでは、我が家では、夏にゴクゴク飲む飲み物は、ジュウヤク、だった。

ジュウヤク、って呼んでいた。

ドクダミの葉っぱを乾燥させたものを煮出したお茶。乾燥したドクダミをほうじ茶のように煎ったものだったかも。

ドクダミ茶なんだけれど、それをジュウヤクと呼んでいた。毒はないらしく、薬効が色々あって、十薬?(ドクダミ茶の別名はジュウヤク。)

誰がジュウヤクの茶葉を調達していたのか、私にはわからない。田舎の祖母なのかなあ?祖母の家の周りにドクダミが生えていたという記憶はないから、どこかから購入したのだろう。昔の人の経験上の知恵というか、身体に良いものという認識だったのだろう。

それしか買えなかったとか、それしか飲ませてもらえなかったわけではなくて、カルピスもヤクルトもおやつとして飲んでいたけれど、小さい頃は、朝はトーストと紅茶(ミルクティー)、日本茶も飲んだけれど、父が嬉しがり屋だから、儀式のようにサイフォンでコーヒーもいれたけれど、ゴクゴク飲むのはジュウヤクだったと思う。麦茶より前にジュウヤクが定番だった。

モワっとしたジュウヤクの味も好きだった。

母は妊娠中に、コムラガエリが辛くて、そうならないためにはビタミンを摂れば良いと思っていたようで、トマトを爆食して、ずっとジュウヤクを飲んでいた、らしい。

私は、母の胎内で、ドクダミ茶風味の羊水に浸かっていたのかな。(今も私は、アレルギー体質でもなく、まあまあ健康にいられて、ありがたいことです。本当に。)

小学校高学年ぐらいになると、世間並に夏には麦茶を飲んでいたと思う。

そして、何年も何年も、ジュウヤク、ドクダミ茶から疎遠になっていたと思う。

甘味料入りのドリンクは基本的に飲まないのだけれど、ドクダミ茶以外にも、烏龍茶、ハーブティーとかマテ茶とかルイボスティーとか、無糖のお茶、無糖のお茶っ葉ではない植物の抽出ドリンクが色々と出現したから、新しいものを飲み始め、伝統のジュウヤクは忘れられたのだろう。

ここ5年ぐらいの話なのだが、庭を(ちょい)きれいに整備してから、めっちゃくちゃドクダミが生えるようになった。

小さい頃、ジュウヤク(ドクダミ茶)をゴクゴク飲んでいた頃には、ドクダミの葉っぱも花も見たこともなかったのに。ドクダミの生態に関してはノーアイデアだった。近所に、田畑の肥料として有効な、空中窒素固定細菌が根っこにあるからか、田植えの前の春には、豆科のれんげのお花畑があったけれど、ドクダミの白いお花を見た記憶はなかった。

今は、ドクダミとの共生、生命力が旺盛すぎるドクダミの抑制、が重要課題になっている。

増えすぎるドクダミを抜く。そのついでに、洗って、数日乾燥させてから、煮出して飲む。

またまた、春夏は、ジューヤク生活に逆戻りだ。

めちゃめちゃ出てくるし、ドクダミを有効活用せねば。

日本人の旦那さんとベトナム雑貨屋さんをやっているベトナム女子さんは、私のことを勝手に、お姉ちゃんと呼んでくれるのだが、ベトナムではドクダミを食べると言っていたなあ、と思い出し、ネットで検索していたら、中国の四川省では葉っぱを食べ、貴州省では根っこを食べるという情報を得てビックリ。

白いドクダミの根っこは、塩もみの生状態で和え物にするって?マジか?生で食べる?それで、いきなり生は抵抗があるから、加熱して食べてみた。

●ドクダミの葉っぱの佃煮。

●ドクダミの(若い)白い根っこの豚肉炒め。

を作って食べてみた。

あっ、普通に美味いやん!特にドクダミの白い根っこは美味い。

ドクダミの幹線の太めの根っこは、水平に伸びる牛蒡みたいな感じなのだが、それからは澱粉が取れるらしい。恐るべし。

そもそも、お通じが悪いわけではないけれど、ドクダミを食べると、気のせいなのか、デトックス感が半端ない。

すっきり出ていく。そして、唾液がドクダミのフレッシュさに変わり、ラーメンもカレーもヘルシーに食せるような気分になる。

気のせいかもしれない。もしかしたら、あまりにも高濃度(高頻度)のドクダミ食には、好ましくない副反応があるかもしれないけど。

私は、ドクダミが好き。

ベトナム人の妹(?)にドクダミを持って行って、ベトナムではどう料理して食べるのかお尋ねしてみなくては。

ドクダミは、寒い地域には生えない。だから、北京料理にドクダミは使用されないはず。しかし、四川省にはドクダミが生えるのかなあ?色々と謎は残るけど。