金曜日, 3月 29, 2024

バックグラウンドの多様性があり過ぎて…

 通訳、翻訳、調整をするお仕事。

若い時は、経験知もなかったけれど、経験知がないが故に、怖いもの知らずで何でもトライできた。夢中でこなすから、雑音も入ってこないし。

たまたまラッキーで、忙しかったり、創意工夫をしなければならない局面もあったけれど、実力は別として誠心誠意やって、人に裏切られたり、変に嫉妬されたり、邪魔されたりすることはなかった。そういう知覚はない。

私は、二流、三流ですし、関西と九州でお仕事をしたけれど、やはり私自身が関西人だからか、関西の方が、明るく仕事がしやすかったかも。

オーディエンスからの、口先高評価というか、口先労い(ねぎらい)というか、日本サイドの皆様のリアクションとしては、関西の方が面白かった。わかりやすかったとか、参考になったとか、そんなん言われても英語にするのん大変ですよねとか、反応があった気がする。

私は、機械じゃないし、人権あるし、心もあるし、口先だけでも労って頂けるとありがたい。

関西の方が、自分自身が偉いとアピールする趣味のない方が多いし、適当にフラットな風土だし、でしょう。

九州の方が、コツコツ真面目に業務をこなされる方は多いような気はする。自慢する人、私とは無関係にキレる人、いきなり通訳を排除してコソコソ話し出す人などもいたし、この人はキーパーソンだから、よろしく通訳してくださいみたいなのもあったなあ。(どう差をつけるのだろうか?)

どこでも人間関係って色々あるのだろうけれど、訳のわからんことをいう人がいるんだろうなあ、社員さんでビジネススクールから帰ってきて通訳やらされたりして、社内で殴ってやろうかと思うような人間いませんか?と聞かれたこともある。そこまではないけれど。次々と忘れてしまうから。同じ会社の社員さんだったら、忘れにくいかも。

外国人のお客様に関しては、ややこしい方も多かったなあ。開発途上国のお仕事が多かったけれど、

アジア(含英語がわかる中国の方)、アフリカ、中南米、東欧、西欧あたりは、たまたま、波風は立たない。精神衛生上、大変ではなかったけれど。

中東あたりの方は、宗教とかお国柄なのか、個人の問題なのか、職業によるのか、グループ内で仲が悪かったり、フレンドリーさのない方がいらっしゃいまして、大変だったなあ。人によりますけれど。

米国の方も大変だった。人種、バックグラウンド、政治的な正義、好き嫌いが様々で、迂闊にお話をしない方がいい感じ。アメリカ人って色々、多国籍のグループよりも、多様。

私はトランプ政権誕生をさほどに驚かなかった。

お仕事で来られている場合は、必ずしも日本が好きなわけでもないし、日本に好意的なわけでもない。

たまたまラッキーで無能でコネもないなりに、大禍なくやってこれたけれど、通訳って保護されないというか、いかようにも人にハメられたり、陰口を叩かれそうなリスクもある仕事。

激しく頭を使うし、スリリングで面白かったけれど、ずっとやっていたいわけではなかったし、もうやらなくても構わないお仕事ではあります。

人の良い面も悪い面も、通訳には、デリケートにわかる(部分もある)、というのはある。

他人の銀行口座にアクセスできる通訳なんてレアというか、ありえないし、通訳者には地位とか権限はないので、人間の本質を思い知ったところで、何の意味もないですけれど。