月曜日, 4月 29, 2019

人身事故の英訳は…

最近、博多⇔新大阪間の新幹線の車中のアナウンスは、日本語だけでなく、英語のようなものもある。車掌さんが頑張っている。

地下鉄、バス、などでは、英語のアナウンスは、次ぎはどこそこ(バス停名)という、録音済みの音声で行われることが多いけれど、新幹線の場合は、車掌さんの肉声であるものも多い(ような気がする)。海外からのお客様が増えて、予定調和的なアナウンスで対応できない事態が増えているのか。

で、それで通じるのかしらん?と思うもの、投げやりに取り合えず英語で言ってます、という
早口で、音声に心がこもってないというか、心をこめる技術がないものが、多いような気がする。

英会話学校のテレビCFの、いっぱい聞けて、いっぱいしゃべれる♪というか、得意気にイッキにいっぱいしゃべりました、みたいなものが多いけれど。

英語を話せないといけない、と思っている日本人が嫌なのは、伝えるのではなくて、しゃべりすぎるから、それが偉い、かっこいい、と思ってそうだから。気持ち悪いから。(だから私は中国語にひかれるのかも。)

なになにパスは使えません、とかそういう英語のアナウンスもあった気がする。
勝手に誰かの指定席に座っている海外からの旅行者がいたりしたのだろうか?
それで通じるのだろうか?と思うようなアナウンスだったけれど。

英語が出来る出来ないが、競争、勝ち負けのツールだったり、コンプレックスのもとであったり、妙な自己アピールのツールであることが気持ち悪いんだなあ。

一番、びっくりしたのは、博多駅からの接続の鹿児島本線で人身事故が発生して、運行は開始しましたが、遅延しております、という状態のアナウンスの後の、人身事故の英語訳が、

Human Damaged Accident (通じなくはないだろうけど、多分、違和感があるはず。)

だったことだ。人間が傷ついたという想起が起こりにくいにではないだろうか?

人的エラーは、human errorというけど、鉄道における人身事故の過半数は、大変残念なことに、飛び込み自殺だったり、 踏み切りで車や歩行者が立ち往生して電車にひかれてしまうという、死亡あるいは生死の間をさまようような状態になる事故なので、

Fatal Accident (死亡あるいは死に至る可能性のある事故=人身事故)

と表現する方がナチュラルだし、事故の原因が何かよりも、どれだけの遅延とか停止が起こりうるかの情報の方が乗客には必要なので、AccidentとDelayed とかSuspendedが明瞭に聞こえればよくて、Fatalは、さらっと音声化すればいいのだと思う。多分。

AIの時代と言いながら、車掌さんによって英語アナウンスは、個々人でマチマチだし、車掌さんに対して、ネイティブスピーカーとか第二外国語として英語を話す諸外国のお客さんを交えた研修、一番通じやすい訳出英語の共通化とかの試みはないのかなあ?と思ってしまう。

2020年までには、もうちょっとなんとか。

それにしても、新幹線じゃないけれど、今日も鉄道の人身事故のアナウンスがあったし、一週間に1回以上、人身事故のアナウンスを聞いているような気がする。

各々のケースの生き辛さの原因は何なのか?
その当人と、現場を目撃したり、その後処理にあたる人々の苦悩は、一切伝わることがないけど、苦悩してないわけはない。

心身ともにDamageは、必ずあるわけだけど。

以前は、何年も、かなり長きに渡り、新幹線は人身事故が起こったことがない安全な乗り物だったけれど、車内で焼身自殺をして、他の乗客を巻き込んだ乗客がいたし、高架になっているから、線路内に人がいるわけないのに、あえて、点検用の梯子のような階段を登って、駅ではない場所の高架に飛び込んで亡くなった人もいたんだ。

そこまでされてしまったら、防ぎようがないよ。

最近は、トンネルのコンクリート落下事故は聞かないけど、過去にはそんなのもあった。

渡る世間は危険だらけだ。