夕張の石炭博物館は、素晴らしい石炭の博物館だ。
九州にはないタイプのリアル炭鉱展示が見たかったんだ。
夕張市が財政再建団体に転落することが決まっていた2006年の9月に見に行った。夕張に到着して、一目散に石炭博物館に向かって走った。財政難で閉鎖されたら見られないもの。
映画祭で売り出そうとしていた、というよりも、映画祭で色々プロモーターからカモられたに過ぎないのではないかと思うけど、夕張と何の関係あんのん?と思ってしまった、西部警察のパトカーの展示とか、そういうものには目もくれず、石炭博物館を目指した。
職員の方が、石炭博物館の方向を教えてくださって、石炭博物館で入場料をお支払いしたら、もれなく、懐中電灯付きのヘルメットを貸してくださって、それを装着して、普通のエレベーターで地下に降りる。(地下だけれど、照明はついていたような気がするし、ヘルメットは、あえて必要ない、とも言えるけれど、それを装着すると炭鉱に入っていく気分が高まる。)
そこにはリアル坑道がある。
そこにはリアル炭鉱住宅の展示、等身大の働く人々の躍動感のある、労働のきつさを物語る、男女の人形(マネキン)がある。
そこにはリアル石炭の重さを体感できる、担げる石炭がある。
そこにはリアル大型掘削機があって、リアル掘削機のまわり、先には、リアルに掘削された石炭の壁があって、石炭の壁をさわることができた。
その時には、まさしく黒いダイヤ、黒光りする石炭層は美しくすらあるわと思ったけれど、
火災については、特に、何も考えなかった気がする。
燃える石造り=可燃性の壁=石炭層のある坑道、なんだ。
なんどき火災が起きても不思議はない場所で、地下で可燃物だらけだから、消火作業は容易ではないだろう。
ノートルダム聖堂と同様に、スプリンクラーなどはなかったのかなあ?可燃物なのに。
自然発火なのだろうか?
ガスが発生したのかな?
漏電で引火したのかな?
早く鎮火して欲しいが、焼け焦げて、ダムの底に沈んでしまう街や村のように、水で満たされちゃうのかと思うと残念だ。
釧路コールマインのタオルとリアルな石炭に似た見た目の黒い石炭飴をお土産に買った。お土産に買った物品もリアル感バチバチで、とても良かったんだ。
なーんちゃってなクッズが売ってなくて、とても良かったんだ。
とても心配で、とても残念だ。