2、3年前のことだと思う。
たまたま入った九州某所の、スウェーデン人で日本を含めてアジアで船舶の設計をしていたと聞いた方の、カフェのような、洋風居酒屋のようなお店の本棚で、背表紙に「CULT OF KOI」というタイトルがある洋書が目についた。
KOI(ケーオーアイ)って何だろう?ロシアのKGB(ケージービー)みたいなもんかいな?
CULT(カルト)ってあるから、どっかの国のオウム真理教みたいなもんかいな?
黒魔術?儀式?過激な修行?の現場?
どんなもんか観てみよう!と本棚から出してみて、拍子抜け。
あああぁぁぁ、なんだ、鯉マニアの本か。KOIはコイ、そのまんまかーい?まぎらわしいから全部大文字にすんな!と思った。
そのスウェーデンの方は、刀の鍔(つば)のコレクターでもあるようで、そんじょそこらの日本人よりも日本文化マニア。建築中のお家の庭でKOIも飼う予定と言っていた。
もう、お家は出来ているだろうし、池に鯉もいるんだろうな。
おいくら万円ぐらいの錦鯉を入れたのだろうか?
安い鯉の稚魚を買ってきて、大きくするのかもしれないな。
世界ナンバーワン錦鯉に2億円の値段ってか?
そこまで、入れ込む売り手も買い手も、ある意味狂信的というか、CULT(カルト集団)と言えそうだ。
錦鯉って、生き物ですから、永遠の命があるわけでなし、池の水にコンクリートのアクが混ざるだけで死んじゃうこともあるらしいのに、2億円の鯉をヘルシーに綺麗な色のまま生かし続ける、盗まれないようにする、鳥とか猫とかに食べられないようにする、お世話をする人のプレッシャーを考えると、恐怖以外のナニモノでもないんじゃないかな、というところも、恐怖のCULT的。(マニアじゃない私にとっては。)