金曜日, 7月 03, 2015

流しと漂流

日本のお盆に関する日中翻訳(あくまでも宿題)をしていて、『精霊流し(しょうろうながし)』が出て来た。

うん?これは直訳じゃいかんやろな?と確信しつつ、その直訳(日本語の漢字を簡体字に置き換えただけ)で出してしまった。(絶対に訂正されるわ。自信あるわ。)

案の定『精霊流し』は訂正されていたが、中国語では"精灵漂流 ji1ng li2ng pia1o liu2 "仪式となっていた。

『漂流(ひょうりゅう)』かぁ~。死してなお漂流する人類?

突然NHK映像の世紀のテーマ曲が頭の中で鳴った。(パリは燃えているか、というタイトルなんだけど、時代の荒波に呑み込まれて漂流するイメージが浮かぶ。)さだまさしの『精霊流し』は、その影に埋もれてしまった。

私は、小川に笹舟を流して遊んだぐらいで、お盆の精霊流しはやったことがないのだけれど、燈籠とか、紙や草の葉っぱで作った小船、の精霊流しは、川の流れのように、流れ流れるわけで、漂い(ただよい)流れるもの。そういう意味で漂流は誠に正しい。最近は環境保全の観点から、河川に流したものも回収されるから、ずっとずっと漂流はしない。

海に向かって流された小船。⇒ 小船放到海里任其漂流re4n qi2 pia1o liu2 。放たれた小船は流れに任せて漂って海にたどり着く。川の流れのように美しい表現。

中国語は、案外、過程とか位置関係の描写が細かい。写実する言語かもしれない。写実をあっさりと流さない言語。漂流という表現に、ポジティブであるとかネガティブであるとか、深刻であるとかないとか、はないのだろう。日本語的なイメージで、字面で、ドラマチックだったり、絶望的だったりする絵を想像しがちなのだけれど、そういう必要はないのだろう。

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●流しの色々


7月1日に新幹線の車中で焼身自殺をした人が『流し(の歌手)』だったらしいので、そういう流しって何だ?と思って調べてみた。

〇串街走巷chua4n jie1 zo3u xia4ng(的歌手)  この成句、歩き回って売り歩くという表現が合うかも。
串には、串そのものとか、串に刺すとか、数珠繋ぎにするとか、そういう意味以外に、『歩き回る』という意味があるようだ。
〇(日式)流水挂面liu2 shui3 gua4 mia4n  流し素麺
お素麺は掛けて干しながら細く長く伸ばしていくから、挂面=吊るす麺なわけだ。流し素麺は、すぐにお箸ですくい取られてしまうから、漂流しているヒマがないのだろう。だから、流水…。

他にも色々な『流し』があるけれど、これ以上は追求しない。
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日本語であれば、
状況と情況は、ざっくり同じ意味で用いられていると思うけれど、中国語の場合は、
〇状况 >情况であるらしい。
状況の方は事態、交通渋滞の状況は状況であって、情況ではないらしい。
情況の方は内情分析的であるようだ。

まとまりがあるような、ないような、投稿になってしまった。