土曜日, 5月 16, 2015

NEXTなワクワクがあるとすれば、自分でエネルギーを作れる喜び

ドキュメント パナソニック人事抗争史をざっと読み終わり、会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから、を今読んでいる。

前者の方は、ちょい下世話なルポ。書いてある通りのやり取りはあったのだろうけれど。歴代情動人事ぶりを書いていらっしゃる。三洋電機がなくなった最大のトリガーは松下の中村氏がプラズマにぶっこんで玉砕したからでは?と思わなくもない。

プラズマは「マルハツ(業界初?)」を目指したのか?ダム式自己資金で、他社のマルハツを追随して、そこそこ利益をあげる「マネシタ」方式は通用しないのかな?

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昔、「マネシタ電器だけちゃうで、ようコショナルやで!」と私に教えてくれた関連会社社員がいたなあ。そして、時は流れ、私は世界初の(?)超シンプルでヘビーデューティーな「イタコナ、イタ(P盤)コナ(樹脂)」における(?)コナオンリー商品を作って、何かの折に公共経済学系の先生に見せた時に、言われたことを思い出した。

...、これはもっと壊れやすく作った方が良かったんじゃないですか?松下の経営者なんかも、次に新しい商品をお客さんに買ってもらうためには、壊れやすく作るとかじゃなかったでしたっけぇ?みたいなことを言われた。

偉い先生を相手に私は内心ブチ切れたけど、私をバカにしている?人間性を試されている?

自分の作ったもの(業者さんに作って頂いたもの)を指して言った。

「こんな単純なもん、壊れないように作れるに決まっているんです!これを壊れるように作るなんて、そんなモラルハザードはできません!」で終わり。

先生のおっしゃりたいことはわかる。華奢でカワイイデザイン的ワクワク感を盛るには、才能か資金力か人脈が要るんですわ。こんなもんで商売にはならないよ。だから、個人でしか作れませんわ。

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私のことはさておき、

まさしく、プラズマディスプレーへの資金投入は、別の意味でのダム式経営だとも思う。ダム建設等の公共工事は、中止できないようですから。

液晶に注力したシャープの経営が危ういのはどう説明できるのだろうか?

10年以上前、次はプラズマなんですよ、と元某銀行の方もおっしゃっていたが。市場と技術の環境変化は誰にも読めない。う~ん。

シャープと三洋が合併するという選択肢は、あり得なかったのだろうか?
シャープの当面の主たる敵は、国内メーカーなのか海外メーカーなのか?

私が子供の頃、西川きよしが素人名人会という番組の司会をしていて、歌唱等を披露する素人名人に、人生で一番辛かったことは何か?と聞くと、戦争と答える人が多くて、尊敬する人は?と聞くと、松下幸之助ってのが多かったような気がする。経営の神様だし。

実は、人間を神格化するのって、好きじゃない。組織の人間を思考停止、経営者への盲信に陥れて、丁稚状態にさせるから。キツネ(お稲荷さん)が商売の神様ってのは、キツネ(悪い人間)に騙されたら、あかんねんで!という意味で、リスク回避的で、保守的で、いいと思うんだ。何も全知全能の神は一つ、一神教じゃなくてはいけない!と言いたいわけではない。

色々なことを、曖昧に思い出した。

山下俊彦氏が末席の取締役から松下電器の社長になった時の世間の反響を私はなぜか覚えている。1977年なのかぁ。別に松下電器に興味があったわけではないけれど。おうどん屋さんの壁の一番左端にあるお品書きの札を指さして注文する松下幸之助氏のイラストか何かを見た気がする。「幸之助は素うどんが好き」みたいなジョークを覚えている。

その新社長がどのような経歴だったのかなんて、ティーンエージャーの私には、何ら感心はなかったけれど、実業団バレーボールで入社して、総合家電メーカーの社長になっちゃあいかんやろ?とは思うなあ。個人商店のトップではないわけで。

それと、人にとって、「左遷」は本当に「左遷」でネガティブなんだろうか?人は、そんなに組織の頂点に立ちたがる(だけ)の生き物なのだろうか?(そんなことを思うのは、私の性格によるだけかも。)

その頃、年表によれば、その一年後、松下正幸氏は松下物流倉庫の社長になったらしい。家族でたまに行った、ちょい高めの神戸のお寿司屋さんで、物流倉庫の社長も来るんだってぇ~、という話を聞いた記憶がある。そこのタコの柔ら煮が美味しかったのだ。食べログによると、まだあるようだ。行ってみたい。

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まだ最後まで読んでないけれど、ルポとしては、会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから、の方が好きだ。

そして、個人的に、商品としては、三洋電機のものの方が好きだ。

社名は、松下電器産業よりは、Panasonicの方がいいと思う。それは松下(Matsushita)は発音しにくく、アクセント位置を2音節目にするか、3音節目にするか、判断が難しいから。

でも、オーディオビジュアル系の商品であれば、Panasonicがいいけど、太陽電池であれば、SANYOの方が断然しっくりくるのになあ。残念だ。

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私にとっての、家電としての画期的なワクワク感は、お家で録音できるカセットテープの出現。

お家で安価に録音ができるようになったことが画期的。

だから、カセットテープからMDになったりCD-RになったりDVDになったりメモリースティックになったり内臓チップになったり、クラウドになったり、というその後の進化は、瑣末な、マイナーな変化であるように思える。

次は、お家で、歩きながら、走りながら、自分で、発電できる、そういう喜びなんじゃないかな。それをお手軽にコンパクトに実現してくれるなら、別に日本のメーカーでなくてもいいんだ。