偶然のご縁が重なって、北島三郎最終公演を是非見てみたいと思うに至った。
たまたま、某天才少年に似顔絵を書いてもらう機会があって、その少年画伯のお父さんのミュージシャンが唄う、出だしがボサノバ風の♪カーニバル♪という歌に感銘を受け、その歌が入ったCDを聴いているうちに、本家本元の北島三郎「祭」を生で体験してみたくなった。
さぶちゃんの公演は凄いらしい。
すでにチケットは完売だけれど、御高齢のお客さんが多くて、キャンセルが出やすいらしいし、当日券もある、という前情報があった。
それと、たまたま、鳥栖のアウトレット内のショップの閉店セールで「祭」の字がプリントされたハッピ風のシャツを買い、それをエプロン替わりに愛用しているので、日々「祭」気分が高まっていたから。
さぶちゃんの最終(長期)公演は、行くっきゃないという気になった。
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午前10時ちょっと前に博多座に着いたら、すでに20人ぐらいの方が当日券に並んでいらっしゃった。当日券に並んでいる方も御高齢者で、博多座の方が、当日券を買う人達のために、ちゃんと事前に椅子を用意してくださっている。(至れり尽くせり。)
立ち見席がいいと係の方にお伝えしたら、空いている席を教えてくださる。座席の後ろの手すりのある立ち位置をすすめられるけど、私は、手すりのない、ど真ん中の、座席がなくて、目の前が通路になっているところ、スコーンと舞台まで視界が広がる、手すりなしの18番を買う。3500円也。
当日券をゲットして外に出たら、ハッピを着て団扇をもった方に、さぶちゃん来られますよ!お出迎えしませんか?と誘って頂き、あまり意味わからず、会えるのかな?と思い、博多座脇の歩道について行った。
10分程待っていたら、さぶちゃんさん御一行がホテルから楽屋へ。
握手してもらった。私の手が冷たくて申し訳なかった。
地元のお世話人の方が、さぶちゃんが来られたら、キラキラの紙吹雪をまかれる。(粋だ。まるで紅白の舞台のようだ。後で歩道に落ちた紙吹雪の掃き掃除もされるのだろうなあ。気配り最高。まさしくスターのお迎え。)
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公演は素晴らしかった。
一部の国定忠治も良かった。お客さんを退屈させないメリハリのある展開。笑いもあるし、ホロっとする場面も。
二部の歌謡ショーは圧巻だった。
3階からだとバンドの構成も良く見える。バンドマスターが尺八ソロの方であるというのが演歌ならではなのかも。要所要所で指揮もされるし、曲によっては、フルートも吹かれていた。さぶちゃんの健康管理も大事だけれど、あの尺八担当の方が倒れたら、公演が成り立たないのではないかなあ、と思った。
さぶちゃんは、78歳とは思えない。歌が上手い。声量がある。声がひっくり返ったり、全くしない。明るい。ノリノリ。
やはり、流石に、座長さん。
司会というか、語りが上手。
年末に久々に観た坂本スミ子さんも、観客を引きつける語りの間に緩急があって、届く歌声だったなあ。
北山たかしも上手い。
懐かしい名曲もいいけれど、「路遥か」というデュオ曲も良かった。さぶちゃん×北山たかし、演歌のEXILEっぽい、twotopボーカル。
「北の漁場」の舞台装置と映像は、USJのハリーポッター超えだ。
最後の「祭」は大盛り上がり。動く電飾鯱は、ロボットレストラン(行ったことないけど)を遥かに超えている。laser光線が炸裂してるし、その中にあって、さぶちゃんの歌が安定しているのが素晴らしいかった。
さぶちゃんが装置についている手すりを片手で持って歌う歌を、私も左手で手すりの先端を持って、立って踊りながら、聴いていた。
さぶちゃんのグルーブ感が、視覚と聴覚の双方から、ダイレクトに伝わってきて、シンクロできて、とても楽しかった。