水曜日, 10月 28, 2009

沈まぬ太陽

今日は映画のレディースデーだったし、前から観たかった山崎豊子さん原作の『沈まぬ太陽』を観た。3時間を越える上映だったので、途中で10分間の休憩あり。非常に見ごたえのある内容でした。 興行的にもヒットしているようです。前の方の座席以外は満席状態。インフルエンザに感染したくなかったので、人ごみから離れて前方の椅子に座ったのですが、この場所は、後方からウイルスが飛んで来易いスポットだったかも。(今のところは元気だ。)

日航機が御巣鷹の尾根に墜落した翌日に、JALでスペインのマドリッドから成田、成田-伊丹(大阪)というルートで旅行から帰ってきたので、当時のことは印象に残っている。飛行機に乗る前から墜落の事実は知っていたから怖かった。スペインの新聞の1面に載った大事故。当初の事故原因はドアロックのし忘れ(疑い)ということだった。

マドリッドからの機内の乗務員さんのピリピリした雰囲気、青白い顔色とか、再三ドアロック、マニュアルで確認みたいな業務連絡があったのを思い出す。通常JALに乗ったら、日本の新聞が置いてある、持ってきてくれるものなのに、その便には日本語の新聞がまったくなかった。乗客も乗務員さんも誰も事故の話をしないし、誰も聞かない。私にとっては、日本語の新聞がないというのが、情報統制されているというか、愉快ではなくて、より恐怖を感じたけれど、スチュワーデスさんに文句を言うのも気の毒な気がして何も言えなかった私。(隠蔽ではなくて、お客さんを不安に陥れないようにという配慮なのでしょうけどねえ。)

成田空港で伊丹までの便を待つ間には、すべてのテレビが御巣鷹の尾根の上空を救助のヘリが飛ぶ映像を流していて、ほぼ同じルートを飛ぶから、とても怖かった。『沈まぬ太陽』の中に出てきたシーンと同じ。機体が大破している映像を見てから、伊丹空港まで飛んだ。

『沈まぬ太陽』を観ていると、組織の中の個人とその家族、処世術と正義、海外勤務とプレッシャー&家族、禍福は糾える縄の如し、終わりの勝ち&価値こそこの手にあらめ!とか、色々なことを考えてしまいます。

このお話は『国民航空(NAL)』という架空の会社をモデルにしていますが、人事というものは、引き&蹴落とし、どこでも、ある程度は同様に、踏み絵を踏まされたり、脅されたり、拒否したら干されの世界ではないかという気もします。

恩地(おんち)VS行天(ぎょうてん)。二人の主人公のネーミングが主人公の生き方を現している。山崎豊子さんは、何のことを『沈まぬ太陽』と呼んだのだろう?人の心の中に燃え続ける正義の赤い炎なのかな。日本郵政の社外取締役は、曽野綾子さんではなくて山崎豊子さんの方が適任ではないかという気がしている。 (適任者になられちゃ困るんでしょうけれど。)

とにかく『沈まぬ太陽』は原作を読んでみなくっちゃと思いました。