日曜日, 12月 28, 2008

THE GREAT CRASH 1929

amazon.co.jpのDMでプッシュされたから注文したのかなあ?

首相によると、現在は100年に1度の未曾有の経済危機であるということですので、80年前の話ですが、大暴落1929 by ジョン・K・ガルブレイスを読んでいる。(もう数年前に読破していてしかるべきだったかもですが…。)

首相も100年に1度とおっしゃっていることですので、これから後20年かけて、さらにクラッシュしていくのだけは勘弁して欲しいですが。(100年に1度ですから、きっちり100年後に起こらなくてもいいので、今が底であることを願います。)

まだ最後まで読んでいませんが、この本は面白い。80年前にも、投機家を後押しする株の信用取引は存在したわけですし、値上がり益のみを追求する投機が病的であることは、今も80年前も変わらない。

ガルブレイスはカナダ人だからでしょうか?米国に関しては、非常に客観的で、鋭い分析をしていて、ものの例え方が上手です。文章が上手です。私は日本語訳を読んでいるのですが、オリジナルの文章も切れ味がよさそうだなあと感じます。

なんとなく1929年の大暴落から現代に至るまで、人は何も学ばなかったし、やり方を変えてこなかったんじゃないかという気がしています。パラダイムシフトは起こらなかった。戦争による破壊が全ての記憶や学習をチャラにしてしまったし、廃墟からの復興需要があったから。

今回はどうでしょうね。現代における需要とは何なんでしょうか?まだ道路が必要だ!というご意見もあるようだけれど、地球環境が悲鳴をあげつつ、温暖化にともなう自然災害という形で私達に逆襲を加えてくる現代において、いかに人々の暮らしを持続させていくのか。

お金持ちにも貧乏人にも同額の一ヶ月の生活費にも満たない端金を配るという定額給付金という方法が良いわけはありませんが、マネーというものは、究極のエコ商品かも。かさばらないし。自由に使えるから。

個人に、特に困窮している人に、直接失業手当等々のマネーを配る、研修の機会を与えることの方が、橋を作るよりも、道路を作るよりも、新しい産業が生まれる可能性もあり、無駄がないという気がしています。

公的資金を投入して必要性の低いものを作るよりも、公的資金を投じて人に一息つかせて考える時間を与えた方がいいと思う。その方が、この先必要なものが何かがわかるようになると思うから。

この先どうなるか、わかりませんし、とりあえず過去の大暴落について読んでみるとしましょう。(内容に文句はないけど、2300円はちょっと高いんじゃないかい?日経BP社)