変身願望というか、別人願望がある。匿名でヒッソリ面白いことがしたいなあ、という願望は常にある。
今日は『マイ・ブルーベリー・ナイツ 』を観て、返却期限が迫っていた(実は1日過ぎていた)『マルコヴィッチの穴(DVD)』をカーナビでザーッと観た。
ワン・カーウェイ監督の撮影するNYって、なんだか香港みたいだった。電飾の残像みたいなものの色彩によるのかしらん。よかったような、イマイチのような。喪失感があるという前提で進んでいくんだけれど、以前にどれだけ幸せだったのかがわからず、何ゆえ別れになっちゃったのかもわからず、喪失感の必然性がよくわかんなかったですねえ。
アメリカのカフェの解釈も、トラディショナルで陳腐な感じがしなくもない。
今年の春はオレンジが流行のようですし、紫色とか、ブルーベリー色に、イマイチ同調できないというか...でした。プルーベリーのマフィンが創りたくなったり、ブルーベリーのモノが食べたくなったわけでもないしなあ。
でも、彼を失って、昼も、眠れない夜も、ウエイトレスをするってのは、いいなと思った。そういう仕事は癒しにつながりそう。街から街へと点々とするのも、やってみたい行動の一つではあります。
『マルコヴィッチの穴』は、素晴しく面白い。
マルコヴィッチの頭の中(視界)に入っていくのも面白いんだけど、時間切れでターンパイクの側の草地に放りだされるという瞬間も面白い。パペットによる浄瑠璃というか、皮膚感覚あふれる感情移入というか、そのあたりも、切ないというか、面白いというか。
笑いにコクとキレがあります。これは買おうかな。何度も観て、暗唱したくなるシナリオ。