日曜日, 5月 28, 2006

★a touch of insult or....

映画ダ・ヴィンチ・コードを観た。
http://www.sonypictures.com/movies/thedavincicode/index.html

冒頭の部分が面白かった。

JIJIちゃんは『日本になんでナチがあるの?』という外国人の方からのご質問を受けたことがあり、なんでそんなこと言うのかなあ?日独伊三国同盟?と思ったら、卍(マンジ)の写真を見せられて、なるほどって思ったことがある。(ナチのとは、歴史も意味も違うし、向きが違うんだよね。卍を45度回転したもの、×に鍵がついている。)そういう感じのものが、出てきて面白かったなあ。

宗教象徴学 religious symbologyってのかな。単純な形の場合は、偶然に似たような形だったり、同一の形が、異なる場所で、異なる意味として、使われていることがあるだろうから、同じ形を見て、想起する内容や好悪は異なる。だから、危険、ちょっと怖いですね。

ダ・ヴィンチ・コードの感想は、う~ん。う~ん。う~ん。

カンヌ映画祭のプレス向け試写で、拍手がなかった理由は、わかるような気がする。映画の出来が悪いからではなくて、多くの人々(自己and/or他者)の『信・望・愛』の根源をいじることに対する躊躇い・不快のようなものかもしれない。

個人的には、トム・ハンクス大好きだし、演技も台詞も良かったと思うけど。アメリカ人が冷静かつ理性的で、フランス人のジャン・レノがファナティック(fanatic)な役であることも、フランス人の観客からしてみれば、悪意に感じるのかもしれない。

映画だと深い理由がわからないままに、視覚的にグロテスクな部分が増幅されるから、危険だと思う。原作は読んでいないので、原作の意図もよくわからないけれど。

信仰は、過去の正確な事実に基づくものではない。2000年も前の事実は、知る由もない。しかし、科学的な事実を否定して良いわけでもない。

この映画は、あくまでもフィクション(虚構)。

ダ・ヴィンチ・コードに出てくるOpus Deiの日本のサイトを観ておくことも、必要かもしれません。http://www.opusdei.jp/art.php?p=14815 (日本のOpus Dei(work of Godのラテン語)
広報からソニー宛の手紙)

映画の字幕では、Opus Deiは、そのままカタカナでオプスデイになっていたけれど、上記のHPの内容を読んでも、わかんないような、やっぱ、言葉の意味から わかんない。

 私にとって、愛とか、善とか、悪とか、それらは、事実とか規範ではなくて、イデア。最終的には、時々の判断によって、現代を活きる人々の行為という形でしか存在しないと思う。

シラスという名の登場人物がつけているシリスベルトcilice belt(イエス・キリストの受難を忘れないために、大腿等を締め付ける装具のようです。スパイクが肉に刺さって痛そうだったなあ。)をつけて味わう苦痛は善だとは、私は実感したくないけれど。ダ・ヴィンチ・コードの日本語版サイトにはそのような言い回しがあります。

エンターテイメント?興行にするには、非常にtouchyであり、多くの個人を沈黙させてしまう映画なんじゃないかと心配する。 反発よりも、沈黙が深い不快を表すかも。

しかし、JIJIちゃん的なエンターテイメントと言えば、シラスが突然現れたシーン。本当にビックリしたので、映画館の中で、うっかり『キャー!』と絶叫してしまいました。お化け屋敷感覚。抱きつける腕が隣にあると便利です。

JIJIちゃんは、映画を観たら、よく涙するんだけれど、この映画に関しては、涙は出ませんでした。

考えさせられる映画でありました。