JIJIちゃんは、通訳をして、報酬を頂くことがあります。毎日やっているわけではないのですが、深く静かに潜行しつつ(?)通訳しています。何らかのテクノロジーに関連する分野が多いかもしれません。
通訳(日英・英日)をしてますと、うっかり言ってしまうと、海外での滞在経験の有無を質問されたり、英語が話せればできると思われたり、TOEFL等のスコアを聞かれたり、するのですが、それらは直接的に関係ないです。そういうことを聞かれる度に、世間の認識は少々違っているなあ、と思うのです。
JIJIちゃんは、たたき上げの通訳なんで、自分の経験に基づくことしか言えないのですが、通訳は、①当該分野の浅めで幅広い知識(を増やしてくことが好きで)+②語句の変換能力+③原音声(起点言語)にシンクロして理解する感性みたいなものが要るような気がします。
同一の概念、同一の手順、同一の現象、同一の大きさ等々は、同一表現で統一すること。通訳することのミッションは、コミュニケーションを成り立たせることですもん。わかり易い表現を選択して、用法に統一性を持たせる方がいいだろうと思います。間違っても、通訳の語彙力をショーオフすることが目的じゃない。
非常にややこしいアルゴリズムとかシークエンスを完全に理解して、記憶する必要はないけれど、必ず音声に反応して、ほぼ同一の長さに納めるように。頭から訳していく。お客さんが言いよどんだら、通訳も同様に言いよどみ、次の発話を待つ。
あたかも、お客さんが乗り移ってくるかのように、心を空しく、頭をフル回転させる。
どのような内容でも、ニュートラルに私心をはさまず通訳しますけれど、お客さんが乗り移ってくる感じになるので、誠実な人の通訳をする方が、精神衛生上もいいですけどね。
(霊が乗り移るわけではないのですけどね、念のため。お客さんの思考回路の一部が見えるような気になることがあります。)
通訳の分野によっても、現場によっても、上流側のお客さんのお話のされ方、補足資料やプロップ(小道具・現物)の有効な使い方によって、通訳の対応・危機管理は変わってきます。
同時通訳の場合は無理ですが、相対(あいたい)的に通訳を行なう場合は、数値はメモに大きく書きながら、双方に確認しつつ、通訳を進めるようにしています。(プロジェクターとかディスプレーを指差し確認ってこともありますね。)
聴き取りには100%の精度がないことを忘れてはならない。目で確認することが必要だと思う。
相手(被説明側・目標言語側)がノートを取っている時は、次に進めない。これは説明者( 起点言語)側の責任なんでしょうが、気がついていらっしゃらない時は、やんわりと注意を促しますね、私は。
数値&金額は、間違って伝わってはなりません。それと、大事なのは、考え方とニュアンスですかねえ。
語学的なスコアではなくて、常識的な気転が利くか否か、当たり前のことが大事なのは、他の職業と同じだと思います。