週末に、日本のコーヒーショップに立ち寄り、おいてあった雑誌を手に取った。日本語版のFIGAROだったはず。パリのオペラ座の特集があった。
で、同居人に語る。
37年前の話なんだけど、私さぁぁあ、イギリスから色々経由して、パリのオペラ座にね、行ってね、お金はらってね、演目をみたことがあるのよぉぉお。
でもね、一人でパリに流れ着いたみたいな感じでさぁぁあ、ヘロヘロだったし、今みたいにネットもないしね。とりあえず、有名なオペラ座というものを外から見てみて、チケットが買えたら、中に入ってなんか演目も鑑賞したい、というノリで行ってみたわけよ。チケットが取れた時に備えて宿でワンピースに着替えて。
チケット売り場で、英語で言ったと思うんだ。『一番お安いのおいくら?』って。バリ高いことを予想したので。
そしたら、何フランだったかは覚えてないんだけれど、『えっ?マジ?日本の映画並みのお値段のチケットがあるんだぁぁぁあ。』ってびっくりして、それを買ったわけなのね。
最上階の天井桟敷なの。一番前でもないけれど、最後尾でもない席。劇場の建築を堪能するには最高の場所で、それだけでいいや、と思ったんだけれど、音楽が鳴って、演目の題名を理解したわけ。小さい時に見た子供用の劇で流れた、オーロラ姫の曲と同じだったから。バレエで、眠れる森の美女だったのね。始まるまで、何が始まるのかすらわかってなかった。フランス語を解さないので。オペラ座なのに、今もそうみたいだけれど、バレエなの。
で、休憩時間に、近くにいたフランス人のおじいさんが、天井画を指さして、シャッガー、シャッガーって、素晴らしいだろ!って、教えてくれた。ホントね、シャガールだね。愛と夢だよね。お友達がたまたま日本の画廊で買った、小さいリトグラフの版画なんだけれど、オペラ座の天井画の一部、の本物が全部、天井一面にあった。素晴らしい空間だったよ。日本円に換算して、2,000円しなかったんだよ。そういう席もあったんだよね。太っ腹だよフランス。今は知らんけど。
で、パラパラとオペラ座特集を見ていたら、主にダンサーさんの紹介だったのだが、今でも天井桟敷席があるって書いてあった。お安いのは天井桟敷の全てではなくて、一部で、な、なんと10ユーロというお値段らしい。円安の今のレートでも2000円以下だ。1900円ぐらい。
で、その10ユーロ席はネットでは売ってなくて、劇場前のチケット売り場に行って、空きがあれば買えるらしい。
その時は、パリのポンピドーセンターのツーリストインフォメーションで宿を紹介してもらった。タクシーで行ったのかなあ。イギリスでポンピドーセンターのフランス語発音をめっちゃ練習した記憶がある。センターのスペルはイギリス英語と同じなんだけれど、フランス語発音は喉の奥が痒くなるやつだから。セント+ヘとハの間?みたいな音。喉の奥の摩擦音みたいな音。
治安が悪いよと言われていた、ピガールのムーラン・ルージュの近くのホテルだったけど、エイヤー!と。
オペラ座に行ってしまったんで、ムーラン・ルージュには行かなかったんだけれど、そこのホテルが味わい深かった。
一応エレベーターがついていて、エレベーターで上がって、部屋についたら、室内のインターフォンみたいな電話が、ものすごい音で、ブぅぅぅぅーって鳴って、出てみたら。
内容を理解したので、英語で言われたんだと思うのだが、
「アナタがドアを閉めないから、エレベーターが下に降りてこないでしょ!閉めて!」と言われた。
急いで閉めに行った。
エレベーターのドアを手動で開け閉めする、蛇腹状のイケイケの金属扉だった記憶。レトロだ。
私はパリに着いた、クマのパディントン、みたいな存在だったかも。パディントンには共感するわ。
パリには行かないだろうけれど、ミュージカルのムーラン・ルージュは観てみたい気がしている。観なければ。
もちろん、パディントンも。