かれこれ20年前の9月に、旭川市の旭山動物園に行ったことがある。
旭山動物園は、動物がその身体能力のポテンシャルを発揮できて、来場者がそのダイナミックな様子を目の当たりにできるような行動展示をした先駆けだと思う。ちょうど注目を集め始めたタイミングだった。
雪が積もる旭川の冬は寒いだろう。日本最北にある市立動物園だし、人口の多いエリアではないし、都会の動物園のように来場者のアクセスも良くないし、動物園の運営には、費用、収入面でもご苦労が多いだろうと思う。
動物のリアルを見せていて、治療中の動物に関しても、手描きの説明があったりして、お金をかけずして来場者を惹きつける、情熱や工夫を感じた。
ペンギンのお散歩はないタイミングだったけど、ペンギンさんが近くに見れて、ペンギンさんから魚臭い生臭い匂いもしてリアルだった。
北の海に生息するけど、貝などの餌代が半端なくかかるらしいラッコはいなくて、堅実だなあと思った。
動物園の園長さんの講演を聞く機会も得て、鳥のダイナミック展示には、冬に雪がつかない材質の軽くて丈夫な魚網を使っているとか、
しろくまのダイナミック展示には、水圧に耐えられて、厚みがあるけど透明度が高いアクリル、素材と施工の技術が不可欠なんだ、ということをおっしゃっていた。
2026年のゴールデンウィークに北海道、旭川をおとづれる観光客、特にお子さんのいるファミリーは、旭山動物園に行くのを楽しみにしていると思うんだが。
旭山動物園の職員男性が自らの妻を殺害して、旭山動物園内の動物用の焼却炉で焼いた、という事件には、なんてことをすんねん!という胸糞の悪さを感じる。よりによって、生命の輝きを感じるための邪気のないリアルな夢の国に、人の世の暗い罪の影が、いやいや、黒い灰がこびりつくが如くに…。
動機も経緯もわからないけど、証拠隠滅だし、存在を跡形もなく消してることに、亡くなった方の人としての尊厳が踏みにじられている、というか。
動物にお骨あげはないので、人間の火葬場よりも、より高温で、あるいは長時間にわたって焼却されているんだろう。
自治体の環境センター(ゴミ処理施設)に、事前予約をして、可燃ゴミを処理してもらうために、車で持って行き、事務棟の前で駐車して、書類を持って受付に行った時、たまたま隣に停まっていた車の中に、大型のワンちゃんが横たわっていた。毛並みが綺麗、眠っているのかなあ?と最初は思った。
ちがう、ちがう、そうじゃない。
ペットのワンちゃんが亡くなって、有料で火葬してもらいに来られていたのだ。
自治体によって違うかもしれないけど、動物用の焼却設備もある。
遺灰を受け取る場合の方が、受け取らない場合よりも火葬代が高い。だから、遺灰を受け取らない場合は、まとめて何体かの動物が火葬されるのだろう。あとかたもなく灰になるのだろう。
実際に見たわけではないけど生命の終わりのリアル。
動物園の動物だけでなく、ペットだって最期をむかえ、灰だけになる。
そこに人が投げ込まれることなどあってはいけないし、ないけど、関係者に悪意があれば、何の区別もなく跡形もなく消され得る。