京都の地下鉄の中のポスターで見た、イワシとニシンと兵庫津の商人という企画展、魚肥(鰯やニシンなどを肥料としていた)に興味があって、兵庫県立兵庫津ミュージアムなるところに行ってきた。(兵庫県知事選とは無関係に。)
ミュージアムとして、できちゃったし、作っちゃったし、結構予算かかってるだろうなあと思うけど、この場所に要る?って思うところもありつつ、マニアックに学べるところもあった。
兵庫の津は平の清盛推し。
鵯越は源の義経。
湊川は楠木正成。
JRの兵庫駅から歩いた私が馬鹿だったのかもしれない。兵庫駅から和田岬駅あたりはまあまあ遠い。三宮から神戸市地下鉄に乗るべきだった。兵庫津だから兵庫駅から行くべきだと思ってしまった。
企画展よりも、常設展がまだ良かった気がする。
魚肥については、肥料としての効果の生化学的な実証アプローチもあるのかなあ?と期待していたのだけれど、歴史の古文書的な、主要な取引産品でしたよ、魚肥を使うと、木々の伐採をしなくていいし、人口増に対応する食糧増産に必要だった的な説明。それで財を成した商人もいたようだ。(詳細をあんまりちゃんとみてないけど。)
魚の油が、安価な燃料というか、灯に利用されたようだけれど、実際にイワシから魚肥を作って、イワシの油で光を灯すとか、映像でいいので、見せて欲しかったなあ。現物が見たかった。
事実、取引はあったけれど、目的として、肥料がメインなのか、魚の油がメインなのか、鰯が大量にとれて、冷蔵技術がなかったから肥料にして売りたかったのか、そこんところはわからなかった。鰯に付着している海の塩分はどう抜いているのかとか、野菜などの栽培に問題はなかったのかとか、収量がどの程度上がるのかとか、現代に向けての示唆はほとんどなかった。
魚肥が下肥や草木の肥料に比べて、良いのか悪いのか?何もわからなかった。文系(歴史)と理系(バイオ)って、コラボレーションできないのね、と思った。大学の無償化も大事かもしれないが。(私の興味など、どうでもいいのですが。)
兵庫津の常設展も、もうちょっと現代の地図とか地名と重ね合わせられるようにしてくれないと、若干の土地勘があっても、現時点のどのあたりか、わかりにくかった。
兵庫県の初代知事が伊藤俊輔(伊藤博文)だったとは、知らなかったなあ。江戸時代にイギリス留学。武士の隊列を横切った外国人を負傷させる国際問題になった神戸事件を外交的におさめたのが伊藤俊輔(伊藤博文)だから初代知事という流れに。
兵庫の津というものの歴史的な変遷を見ているうちに、兵庫の港を良港にしている地理的要因、和田岬に行ってみたくなったので、地下鉄で和田岬まで行った。
えっ?潮岬(和歌山の)とは違うわ。普通に平坦な街やん。
岬の先ほとんどは三菱重工とかの工場の敷地かーい!海なんて見えない。当たり前か。
神戸のベイエリアは、中突堤と六甲アイランドのフェリー乗り場しか知らないという事実を思い知った。
和田岬駅をお仕事帰りの方達が利用されていて、案外混んでいた。地下鉄海岸線なのに、終着駅は新長田。内陸に戻っている。そっから神戸の山間部を切り開いた住宅地エリアにつながっている。
JR兵庫駅から出ている短いJR和田岬線というのもある。流石に通勤時間帯メインに運行しているようだ。
私自身は、ずっと、ハイセンスな街神戸的な表現には、チャウチャウチャウ、とは思い、違和感は持っていたが、それでも私がアクセスしてきた神戸は、阪急かJRの三宮から元町、神戸駅あたりの便利なエリア。
地下鉄には乗る必要がないし、神戸電鉄にも乗らないし、バスにも乗る必要がなかったし、若干寂れているような気がしても、徒歩で回れる便利なエリアだったのだなあ、と思う。
和田岬の工場に通勤される方々は、きっと広域に、色々なエリアにお住まいで、神戸アイランド、六甲アイランド、西神、山手のニュータウンからの方もいらっしゃるのだろう。いやいやいや、明石、西北、尼崎方面も。そっちの方が多いかも。
そこが非常に神戸市の難しいところ。人口が増えそうにない神戸市内の山と人口島、それら地域からのアクセスを確保し続けないといけない。(そんな山の中を造成しないで、神戸駅とか兵庫駅の近くあたりに住宅を建てとけばよかったのでは?と、今なら思うけど。)
神戸市民で、オシャレっぽくてキラキラ(ギラギラ)している三宮や旧居留地あたりの賑わいの中に住んでいる人はほとんどいない。勤め先から地下鉄に乗って、神戸市営地下鉄の旧居留地・大丸前で降りる人はほとんどいない。そのあたりに用事のある人は、他の地域から阪急かJRに乗って三宮あたりで降りて、徒歩で来るだろうし。
神戸を知っているようで、親しみがあるようで、神戸市の全体像をほとんど何も知らない、と思った。神戸や兵庫県の民意や闇の問題点を理解することもなかなか難しそうだ。(誰もわかってないのかもしれないが。)
神戸が県庁所在地の兵庫県には、山の壁が険しい南北問題、市外に人口が流れがちな東西拡散あるある。自然環境的には神戸の山を切り開いた方の山手も良いところ、あるはずだけど。
子育てに優しい、で、人口を取り合っているという側面も。
地下鉄海岸線に苅藻駅があった。神戸市民じゃなかったけど、子供の頃、かるもプールに行ったことがあったぜ。その頃は、関西唯一に近い、市営の室内温水プールではなかったか?今は、かるもプールはないらしい。至る所にお金を出せば使えるスポーツクラブの室内プールが増えたが。住民サービスは低下してそう。
で、神戸市内で税収源になるような利益を生み出しているのは…。