ベネトンが日本から撤退するらしい。もうしたのかな?実店舗はないのかな?
普通の客としてのベネトンのイメージは、ポロシャツの豊富なカラー展開。濃いめのピンクとか藤色とか、そういうのがベネトン、というイメージ。ベネトンのお洋服を買った記憶はあまりない。
20世紀に、日本で、海外から来られた皆様に、日本市場の特性をレクチャーするプログラムの研修コーディネーターというか、通訳をやる羽目になった。日給月給を頂けるし、終わりよければ全てよし、な、まあまあハードなお仕事。
日本市場に関するセミナーってたって、色々な商材、商慣習、食品メーカー、ファッション関連、日本及び外資の小売業、輸入商社さんとか色々。様々な見学同行もあったし。
20世紀末の空気として、日本企業は中国とかベトナムに生産拠点を移していて、日本製品の海外市場としても中国、中国、中国、次はベトナムとか語る講師が多かった。
参加者は、アフリカの方も、中東の方も、中南米の方も、東南アジアの方もいて、多国籍なのに。内心、御社はそうかもしれないけれど、この場においては、空気読んで、全方位外交的に言葉を選んで頂けませんかね?と思わないこともなかったな。あまり、そこんところは強調しすぎないように、サラッと通訳したと思うけれど。
で、ベネトンの日本法人の担当の方も講師として来られる日があり、よろしくお願いいたします、という、ご挨拶がメインのフリをして、事前にお電話をした。
実際のお仕事として、色々と中国にシフトされている企業が多いというのは承知しているのですけれど、参加者は、色々な国から来られていますし、特定の国に偏ったお話ではなく、日本市場や、ファッション業界の普遍的な側面を語って頂けますと、参加者の参考になると思いますし、こちらとしても助かります、(ヘコヘコ)、みたいな。
ベネトンの日本法人の担当の方は好人物だった。
全ての参加者の名前を呼んで、その国の言葉で、1人1人に、こんにちわと語りかけられて、講義が始まる。掴みはめっちゃOK。勘の良い方だと思った。
日本の縫製工場さんが、仕様書通りにカッチリ仕上げすぎて、(おそらく)イタリア人のデザイナーさんがベネトンらしさがない!と怒ったらしい。同じ服を2枚同時に着る人はいないので、全ての服のポケットが寸分違わず同じ位置に付いているとか、そういうのは、どうでもいい。
テイストが伝わるニュアンスの方が大事、というようなことを言った、らしい。
それって、ファッションあるある。既製品であっても、消費者にとっては、全ては一点もの。柔らかさとか抜け感とか、そういうテイストも大事。精密機器とも、米とか麦とも違う。
百貨店のオリジナルお洋服のデザイナーさんの講義は、個人的に刺さって、後日、自腹でその商品を買ってしまった。シンプルなラインと素材感(糸のミックス感)が良かった。日本の消費者が好きな王道的なデザインとか日本人が好きな高品質に関する的確なプレゼンテーションだったと思う。
着る物(アウター)は、嗜好品だし、イケてる、イケてないは、消費者側の都合(好み)で移ろう。国と地域によって好みは大きく変わってくる。
SDGsなんて言わなくても、イマドキの新品よりも、うん10年前のユーズドの方がデザイン的にも色使いでも凝っていたりもするし、希少性があったりして、お値段的に高くても、そっちを買ったり。
見た目のデザインやカラフルさで新品が売りにくいように思う。新品に攻めの姿勢がない昨今。
ヒートテックとか発熱するコットンとか、新品から機能が劣化する素材の機能性で売らないと、新品の服は売りにくいのかも。