宗教的な禁忌、文化、嗜好、ものごとのグローバルな潮流として、ドキっ。
たまたま目にした「蘭州牛肉麺」屋さんの開店準備が進んでいて、5月1日に開店するとのことで、わざわざそれを体験するために出向いて行った。
これが、令和元年初日のエポックメイキングな出来事。
華僑でも南方にルーツがあると思われる人々の経営する広東風和風の中華料理屋さんが主であった神戸南京街の入り口近くにできた中国内陸部の「蘭州牛肉麺」。
中国は多民族国家ですし、内陸部には、豚肉を食べないイスラム教徒も多くいるし、牛骨スープのラーメンがあってしかるべきだけど、何か戦略的なものがあるのかな?自然発生的に名物なのかしらん?
そもそも牛だったのか?羊じゃダメなの?とか色々考えてしまった。
牛骨だしスープは、あっさりしてて、美味しかった。好き。
メニューには、特にハラールであることは書いてなかったけれど、そういう方向性では売らないのだろうか?
上下に振って、叩きつけて、伸ばすタイプの平麺は、麺打ちのダイナミズムがあって、見ていて惹かれるし、美味しいんだけれど、その製法ゆえに、太さがマチマチになる。
で、私には大盛りすぎるような気がした。麺の量は半分にして欲しい。
麺がかたまりがちなので、鉢に入れて、スープを注いでから、お箸でさばいてから出して欲しかったなあ。(日本のラーメン文化の繊細さに慣れているから、要求が厳しすぎるのかも。)
丸亀製麺みたいに、小盛り、と、普通盛り、を作って欲しい。私は小盛り希望。
で、それラーメンにあうのかなあ?と思ったのが、八角味の塩味の強い固ゆで煮卵。
中国人は八角味の煮卵が好きなんじゃないかと思う。手作りのを頂いたこともある。私も嫌いじゃないけれど、その味と匂いが苦手な日本人は多い。日本のラーメンの半熟煮卵と比べるとどうなのか?
パクチーもデフォルトでスープに入って出てくる。
日本のラーメン屋さんの葱みたいに、パクチー有り、パクチー無し、を選べるようにした方がいいような気がする。
なんだか、私には美味しいけど、惜しい。味が本格的に強引すぎるような気がした。今後の展開が楽しみ。
令和元年の牛肉麺が、令和10年あたりには、豚骨ラーメンと互角の勢力になっているのかもしれないし。
古いものとしては、
子供の頃に祖母と行った、三色わらび餅が記憶に残る喫茶店がまだあった。泣きそうになる。
わらび餅屋さんの廃業により、三色わらび餅はなくなっていて、今は自家製わらび餅なので、黄な粉だけであるらしい。
しかし、飴湯、甘酒、あべかわ餅もあるんだ。甘酒がすごく美味しかった。
喫茶店業は、昭和18年からやっているらしい。
昔、アップルって(飲料)ありましたよね?リンゴが入ってなくて、すごく甘いの。
と聞くと、まあ、古いことご存知、と懐かしそうに言われた。アップル屋さんも廃業したらしい。
神戸の街は、不思議だ。三宮など、駅も昔のままだし、私にとっては、ハイセンスな街というよりか、ごちゃごちゃ過ぎる下町というか、さすがに戦後すぐを知らないけれど、その頃の闇市を想像させられるような混沌の高架下などもある。リニューアルして欲しいとは思わないけれど、今までリニューアルされていないのが不思議だ。阪神大震災があったからか、阪神大震災があったにもかかわらず、と言うべきなのかなあ?三宮界隈は火災が少なかったのかもしれない。(いい加減なことを言ってはいけないな。倒壊したビルもあったのだから。)
それにひきかえ、西宮北口の変化にはビックリ。広々リニューアル。阪急百貨店もある。西宮ガーデンズに、以前、美味しいよ!と30代女子さんに聞いたことがある「芦屋天がゆ」の支店があったので、一番ライトなセットを食べてみた。近隣の方なのか?GWだからか?あげたて天ぷらをパクつくリッチなお子様もいた。
うん、美味しい。天ぷらサクサク、天ぷらと白かゆと香の物とおダシの効いたお味噌汁が上品。
ファミリーにとっても、高齢者にとっても、大都市じゃないところで、お家に比較的近いエリアで、ゆったりと過ごすというのは、結構なことなんだろうと思う。
しかし、相対的に、神戸が衰退したという感もぬぐえないけれど。神戸市街地って、庶民的で、普段着の生活圏として、私は好きではあるけれど。
令和を祝うとか、目標設定をする、というよりも、平成の間に色々変わっちゃったのね、という発見や、昭和の名残を発見して感動したりする令和初日だった。