火曜日, 12月 09, 2014

Ceiling balcony

パリのオペラ座の天井桟敷席でバレエを観たことがある。

その時わたしは、迷彩柄のバックパッカーだった。なんとなくたどり着いたパリのオペラ座。

欧州では劇場関係は、ジーンズ以外という意味で、それなりの服を着ていた方が浮かないということは、経験上わかっていたので、黒のバックルがついたパンプスとパンスト1枚と黒のニットワンピとロンドンのカムデンロックで買った、花柄のゴブラン織りで出来ている、ハイソな(?)ジャンパーをバックパックに詰めてあった。

オペラ座の演目の何たるかは、全く知らなかった。

見た目にキレイな建物だなあ。何か見てみなくては。一番安いチケットありますか?という感じで当日券を買った。いくらだったか覚えてないけれど、日本円換算で1000円しないなあ~、日本の映画よりもはるかに安いじゃんと思った記憶がある。


いそいそと、花柄のゴブラン織りでオペラ座に潜入し、チケットの番号の席についたところ、そこは素晴らしい景色だった。

舞台正面に一番近い天井桟敷の奥の方だったと思う。

建築の美しさとシャガールの天井画に息を呑んだ。私の後ろに人がいないので、舞台が見たければ、立ってみても大丈夫だし、とてもとても満足した。

バレエは全く詳しくないけれど。踊りが良いとか悪いとか批評できないけれど。とにかく美しかった。実は、出しものが何なのかは、開演までわかってなかった。ただ安いチケットを買ったのだ。それは「眠れる森の美女」でした。あの有名なメロディーで演目を理解した。

でも、人生最高のコストパフォーマンスだと思った。

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先日、10年以上ぶりに「天井桟敷」というお店に、旦那と行って、チーズフォンデューを食べ、ワインをちびちび飲んだ。結論美味しいやん。チーズフォンデューなんて、メニューがあったのか?(創業以来あるようだから、当時もあったんだ。でも、当然2度漬けは禁止であるとしても、みんなでフォンデュー鍋をつつく、なんて雰囲気でもなかったなあ。だから、チーズフォンデューはセレクトされてなかったんだ。)

昔は、集団でコンパ的に行っていたので、なんだか座って食べているのだけれど、立ち位置がわからず、まずいと思ったことはないけれど、最初はビールだし、コンパにしてはオシャレな居酒屋だなあというぐらいの認識だった。

自分のためだけじゃなくて、人のために御料理を選んだり、幹事というか、事前のセッティングもスキなのだけれど、そのような立場でもなく、しゃしゃり出ず、ただ参加して、お話を拝聴するような感じだった。私はメニューをみたこともなかった気がする。

主賓?主催者?の物まねも得意だけれど、それを披露できるような空気でもなく。それは絶対NGだ。おもてなし。うらもなし。立ち位置なし。でも、フレンドリーな感じではあったけれど。

自己アピールをして、何か得たいものがあったわけでもない。(そういうのって辛いんだ、実は。)仕事ってわけでもないのに、自分を能力を殺して、遠慮して存在するのは辛いんだ。(自分自身が、とてもとてもアホらしくなって、腐ってくるから。)

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でも、時がたてば、人生は穏やかにもなる。心に平安が訪れる。全てが懐かしい。

お隣にはパン屋さんも出来ているし、相変わらず、神社の前には、十日恵比寿祭りの露天としても出現する屋台のラーメン&串焼きがあるし。その露天は、私の中では、清荒神のたこ焼き(明石焼き)の露天のようなものだ。変な例えだけれど、そうなんだ。

そう言えば、別のグループでここでもつ鍋食べたなあ、というお店もあった。初詣ではこの神社でもいいかも。いや、その前にクリスマスはここでもいいかも。

心に平安が訪れれば、景色は変わる。

天井桟敷というお店が、近場のパリオペラ座のそれのように思えてきたことが良かった。