先日、上海に行ってきました。
上海万博(世博)の雰囲気というか中国の人々の中での万博のプレゼンスのようなものに興味があったのと、1970年の大阪万博との比較体感がしてみたかったから。インターネットや携帯電話がなかった1970年と2010年とは、当然、全世界的に違うだろう。わざわざ旅費と時間を使って現地に行って、現物を見ること、実物を見ることの相対的な情報としての費用対効果、万博そのものの希少性とか有り難味がグローバルに低下しているような気がする中で、万博に意義があるのかどうか。行くことにさしたる意義がなくても、結果として、あんまり意味がないと思うことも含めて、意義があると思っていた。
開催意義はあったと思いますね。なんとなく。安い飛行機&ホテルだけパックだったのに、ホテルの設備も非常に良かったし。A4のPCが入るセイフティーボックスなんかもついていたし、気が効いている。頑張っている。朝食バイキングもモノスゴ~くインターナショナル。種類の多さにビックリ。
1970年の大阪万博は、史上最高の入場者数だったようで、アメリカ館で月の石を見るとか、人気パビリオンに入場するには、暑い時期に1時間以上列にならばなければならなかった。だからメインテーマの『人類の進歩と調和』をもじって『人類の辛抱と長蛇』と言われていたのを記憶している。子供心にさすがに関西人的な表現だよなあと思ったものだ。
上海万博にも似たところがある。
ちなみに①【排队】
中国語で行列することを『排队pa2i dui4 (≒パイトエ)』というのですが、排队しないと入場できないところがほとんど、でも、入り口に自由参观zi4 yo2u ca1n gua1nと書いてあるところも 。パビリオンだけじゃなくて、インパクトのある建物とかキャラクターとか像があると、人はそれをバックに記念写真を撮りたくなるものですが、そういうところでも、一般の来場者が(主に中国人のオバサン)が『排队pa2i dui4排队pa2i dui4 』と言ってくれるので、並んで順番に写真を撮ったりするのが、なにげに楽しかったです。平等な一体感がありました。
ちなみに②【城市,认生话更美好 Better City, Better Life】
上記が上海万博のメインテーマなんですが、マナーよく参観しましょね!という呼びかけスローガンを書いた団扇(うちわ)を配布していたので、積極的に頂戴してきました。七言絶句調の呼びかけが素晴らしい。よく出来ている。
●団扇のA面
与文明同行
做可爱的观博人
yu3 we2n mi2ng to2ng xi2ng
zuo4 ke3 a4i de gua1n bo2 re2n
文明と共に歩み
敬愛される万博の参観者になりましょう。
●団扇のB面
城市,认生话更美好
che2ng shi4, re4n she1ng hua4 ge1ng me3i ha3o
Better City, Better Life
che2ng shi4, re4n she1ng hua4 ge1ng me3i ha3o
Better City, Better Life
耐心等候不插队 na4i xi1n de3ng ho4u bu2 cha1 dui4
爱护展品不乱碰 a4i hu4 zha3n pi3n bu2 lua4n pe4ng
垃圾分类不乱扔 la1 ji1 fe1n le4i bu2 lua4n re1ng
控烟区域不吸烟 ko4ng ya1n qu1 yu4 bu2 xi1 ya1n
领取赠品不争抢 li3ng qu3 ze4ng pi3n bu2 zhe1ng qia3ng
言语文明不喧哗 ya2n yu3 we2n mi2ng bu2 xua1n hua2
忍耐強く待ちましょう。割り込みダメ!
展示物を大切に。さわっちゃダメ!
ゴミは分別して捨てましょう。ポイ捨てダメ!
禁煙区域では、タバコを吸っちゃダメ!
無料配布物は、奪い合っちゃダメ!
言語文明社会では、大声で騒いじゃダメ!
(う~ん。日本語に訳すと、中国語のリズムが消えちゃうね。それはしゃーねーね。)
上海世博会事务协调局 sha4ng ha3i shi4 bo2 hui4 shi4 wu4 xie2 tia2o ju2
Bureau of Shanghai World Expo Coordination
と書いてあります。
この団扇をもらってから観た池が綺麗だったから岸辺の石の上で写真を撮っていたら、男前の係り員の方に『小姐(お嬢さん)! 』と言われた。お嬢さん、落ちたら危ないから入ったらダメっすよ!という意味でしょう。『太太』じゃないもんね。気を使って頂いてありがとう!と思いましたです。
ゲートから入場する際に、X線検査にくわえて、カバンをあけて見せなければならなかったけれど、悪い感情は持ちませんでした。だって、他の中国人の入場者にもそうしているから。積極的にバッグとかポーチの中身をお見せして、係り員の方の反応(表情)を見るのが面白かった。(はあ~、そういうものなのね、みたいな。)それも交流だと思えば楽しいのだ。それ以上に驚いたのは、全ての地下鉄(Expo関連以外も)の自動改札の前に手荷物のX線検査ベルトコンベアーがあるところですね。自動で通すだけなので、手間とか時間はかかりませんけれど。治安維持には並々ならないコストをかけていると思います。
話は変わり、夕方以降には『中国国家館』に並ばずに入れました。(横入りではなくて。) 夜の万博会場は綺麗でしたよ。
1970年の大阪万博の時だって、閉園ギリギリの時間に行くと、コネがなくたって、アメリカ館に並ばずに入れたし。月の石を見たんだなあ。(だから、それを見たからって、どってことない石というか、鉱物だったけれど。)
万博(世博)会場には、一日しかいなかったけれど、本当に歩き疲れました。很累了he3n le4i le 。
疲れた⇒累了⇒レイラ⇒Layla といえばコレ!
http://www.youtube.com/watch?v=fX5USg8_1gA
このイントロというかインストロメンタルなメロディーをシャウトしながら、私は歩き続けていた。こうすると結構元気が出るんだなあ。
6ヶ月で終わるとはいえ、舗装にもうちょっと力を入れて頂いても良かったかもね、と思う泥が湧き上がった地面の上を。10億以上の民がいる国だからか、全ての人が来るわけじゃないんだけれど、会場内の道幅はそこそこ広くて、歩く距離が長い。
お昼ごはんを食べたゾーンEの中華(広東菜風)のレストランでは、小野リサの♪ジャンバラヤ~ボッサ・アメリカーナ~♪がかかっていた。当然のことながら、世界はツナガッテイルんだなあ。
私はたこ焼きの前で写真を撮っただけで、並んでまで、行かなかったけれど、会場内では、日本産業館のロゴ入り不織布バッグを肩に下げた方を多数見かけました。