月曜日, 1月 18, 2010

众口难调

小説として面白かった『蒼穹の昴』のNHKのBSハイビジョン版ドラマ(日中合作)を第3話から観始めた。

以前に放送された、そのメイキングを取り扱った放送で、中国人の国家一級監督(でしたっけ?)が、このドラマの制作に当たっての困難を
『众口难调』zho4ng ko3u na2n dia4o(多分) という四文字熟語(中国の格言)で語っていました。

日本の漢字に直すと『衆口難調』
全ての人の口に合う料理を作るのは難しい。転じて、
全ての人(中国人と日本人)を満足させる、ストーリー展開、映像及び台詞による表現は難しいのよ、ということを言いたかったんでしょうね。
恐らく中国内において多方面に気を使うプロジェクトなんだろうと思います。

難しいけれども、各々を満足さえるように頑張ったのか、開き直らざるを得ないのか、良くわかりませんが。

原作から乖離している部分はある。
人物の出自とか、設定が変わっている。
西大后が田中裕子であり、(大地の子とは違い)中国向けにも放送されるので、田中裕子の部分が吹き替えなのは、当然理解できるけれど、中国人俳優を含めて、口パクっぽい。
膨大なシーンの映像はチャッチャと撮って行かざるを得ないだろうし、細かい部分の台詞には気を使うし、映像をつないでから、最後にイッキに音声を入れる、という感じなのかなあ。
口を大きく開けずに演技をするってのも、結構大変ね。(これにも技が必要っちゃね。)

田中裕子の顔立ちと体型は小説の形容に近い(と思う)。質素かつ美人かつ華奢。やはり演技は安定して上手い。
でも、公開されている西大后の写真を見ると、光緒帝の皇后(西大后の姪)のロバのようだと形容された顔に近いような気もする。本当に美人だったのか、ちょっと疑問もある。

原作は面白いのですが、日本の作家が描いた中国のお話なので、原作通りでなくても、個人的には文句はないです。それが日中合作でドラマ化されて良かったなあと思う。

原作からカットされたり乖離している部分というのは、技術的か、政治的に、公序良俗的に、映像化しにくいのかもしれないし、老婆心もあるかもしれないし、その理由を想像すると、異なるということ自体に味わいもある。

(吃的每一口) 都是快乐。 (無理やり四文字にまとめただけ。)
視点を変えれば、全ての場面は楽しく味わえる。

ナレーターが松平アナであるという点も面白い。もちろん、日本語向けだけでしょうけどね。