水曜日, 4月 19, 2006

★Button・Cotton・Vuitton

◎Button

同居人のキャンバス地のジャケットの皮のボタンの色が剥げてきたので、ボタンを付け直そうと思い、自宅→西鉄二日市→福岡(天神)→中洲川端と電車&地下鉄に乗り、中洲川端商店街の生地と付属品のお店『丸十』まで、わざわざ出向く。

厚手の綿のジャケットなんてものは、ジーンズと同じで、少しヨレっとなって身体になじんだ方が着心地も良いわけで、コマシなボタンに付け替えて長く着て頂こうかな、と思ったわけです。

JIJIちゃんは、その気になれば、幼少の時からの趣味で我流で洋裁もする(していた)人なので、生地とか付属品(ボタンとかレースとか)を買いに行くのが好きなのです。ボタンというものは、かなり大事で、服とあわなければNGなので、品揃え的には、福岡では『丸十』に限る。中洲でなくなったら泣いちゃう、と思うお店は、マジで『丸十』ですね。

直径2センチの皮製の足つきのボタン7個&ボタン糸で1700円ぐらい。誰かが手作業で作っているに違いない総皮製のボタンが1個、200円ぐらいなんて、作った人に気の毒だなあ、と思いつつ、イメージ通りのボタンが買えて満足。

帰りにDior とLVとFF模様のゴブラン織りっぽいイタリア製(ホンマかい?)生地を発見。黒と茶系でいい感じだったので、少々、心ひかれました。店員さんに、本物ですか?と聞いたら、モドキです、とキッパリ。でも1メートル(W幅)12000円は高価だ。ぼっている。(会員価格は3割引き)

◎Cotton

またまた、前は『ひらまつ』だったホテルオークラのティールームで新聞+ケーキ+コーヒー休憩。そこにあったHerald Tribune
http://www.iht.com/articles/2006/04/18/news/farmers.phpを読んでいたら、インドの真ん中あたりでは、綿を栽培しているファーマーが、次々に借金苦で農薬を飲んで自殺しているというニュースがあった。綿花は、米や小麦よりも病害虫に弱くて、大量の殺虫剤の散布が必要で、綿花の販売価格も下がって、年々儲からなくなっている作物のようだ。自殺した人の数は、うん千人のオーダーで、半端な数じゃないみたいだ。(ITで脚光を浴びている人達の影で、苦しみもがく人も。)

中学か高校の時の家庭科の先生がマニアックで、綿の高級順を覚えろ(?)テストに出すぞ!と言われたからか、なぜか、未だに覚えている。当時の母校の家庭科って、刺繍&縫い物を強要するHome Economics系の先生と、調理自習はしないのに栄養価の計算&数値に執念を燃やすHome Chemistry系の先生がいて、それなりに変わっていて楽しめました。

高級順は、①シーアイランド綿(海島綿)②アメリカ綿③エジプト綿④中国綿⑤インド綿⑥日本綿だったと思う。④と⑤は逆だったかもしれない。

綿花は繊維が長いものが高級とされる。綿ローンみたいに、すける程に薄くて、すべらかな織物が織れる長繊維が高級。究極の繊維が短い綿は、布団綿なのかな。インド綿ってのは、少し厚手で、毛羽っとした、汗を吸い取りやすい綿らしい綿織物が作れるというイメージがある。 多くのファーマーの命がけの借金苦と大量の農薬投入の上に、吸水性・通気性がある『かぶれにくいコットン100%』が、安価な製品価格で、成り立っているのかと思うと複雑だ。Poor & clitical QOL in India for rich & healty life of us.

ソーイングセットを持ち合わせていたので、博多ビバレイン8階のオープンカフェスペースでジャケットにボタン付けをする。ちょっとしたパフォーマンス。気がついたら、私に向けられている人の視線を感じつつ、黙々とボタン付け完了。なかなかいい感じ。落ち着くような興奮するような、集中しているような人を意識するような感覚。

◎Vuitton

帰り際に博多ビバレイン内のVuittonとかLoweveとかGucciとかを見てみる。Luis Vittonが好きなわけではないし、買ったことはないのですが、昔だったら、Vuittonと言えば、こう!というモノグラムのデザインと色合いと形があったけれど、最近は、それを破壊することにご執心のように思える。

Luis Vuittonは、丈夫なのが取り得だったと思うのに、布製で表面がビニールコーティングのものなんかは、見るからに、どう取り扱っても耐久性や寿命が短い。村上隆のデザインが、どちらかと言えば、『超大嫌い』です。創造的破壊ではなくて、破壊的駄作じゃないのかしらん。(あのカラフルパンダみたいなキャラとモノグラムの組み合わせが売れているのかしらん。)

JIJIちゃんは、ビンテージにはならないもの、買ってすぐと、その何年か後に、2回旬が来ないものには、まとまったお金を出す気にならない。

Luis Vuittonの お洋服は、ジャポネスク・テイストの花柄で装飾過多な感じがした。そのようなものを買う人は、そのデザインのブランド性をどこで感じるのだろうか?実でも虚(めくらまし)でもいいんだけれど、うん十万円を出すに値するリターンはどこにあるかなあ?と思いながら不思議な気持ちがしました。一桁万円前半だったら、それなりに可愛い服なんだけれど、ある人には、うん十万円ってのは、深く考える程の金額ではないかな。

Luis Vuittonのモノグラムのお財布もカバンも買ったことはないのだけれど、村上隆他にはムカついてきたので、『丸十』に行って、Luis Vuittonのモノグラム『モドキ』模様の生地を、1万円程支出して買ってしまった。コットン50%・ポリエステル50%の黒白地。

Vuitton(モドキ)スカートを手縫いしてやる。デザインは決めた。

JIJIちゃんの中には、美の絶対的・不変的な基準も絶対的な創造性もないと思う。JIJIちゃん的な美は、かなり相対的なものだと思うけれど、相対的な、平均値でも中央値でもなくて、かなりハズレ値であることは確かだと思う。

手作りしてさあ~、安くできたってぇ!?バッカじゃないの!!!!
そんなことに消費される時間のコストはどうなのよ~!?と思うわ、と言った人は常に正しい。

それはそうなんだけどぉ~、お金の問題じゃないんだなあ、意地になって衝動を形にするプロセスが楽しい(?)のよ。