5月23日(月曜日)に愛知万博に行きました。
愛知県にお住まいのトーストマスターズクラブの方にアテンドをして頂けたので、非常に有意義に会場内を巡ることが出来ました。入場の可能性がある人気パビリオンを選んで直行して下さったので、少し並んだだけで整理券を取ることが出来、実際に見学する際にも、どの列に並ぶと一番前で見ることができるのかを教えて頂いていたので、永久凍土の中から出土された本物のマンモス(の頭部)をガラス越しにですが、目の前で見ることができました。
このためにお休みを取って頂いたようでして、感謝!感激! 感謝!感激!感謝! です。
■マンモス貴重な体験
1970年の大阪万博では『月の石』を観ましたし、今回は『マンモス』を観て、月と地球の2大レアモノの目撃者になりました。
ベルトコンベアー(動く歩道)に乗って通過し、ガラス越しに観るだけですが、マンモスの頭部は毛皮に覆われていて、生きているような質感が確認できました。
エジプト等の墳墓の中に埋葬してある死者のミイラの生々しさにも驚きますが、人類そのものは、生存していて、全世界的には増加傾向にある種です(一人一人の命の尊厳は重く、人生には限りがあるけども)。しかし、既に種として絶滅していまっているマンモスが、生前とほぼ変わらない色や質感や組織を残していることの意味や学術的な価値は、人類のミイラ以上に大きいのではないかと思います。
月の石は、再度月に行けば採取可能ですが、マンモスのミイラは、この一体の他には存在しないかもしれないですしね。
長久手町に住んでいるJIJIの友人に見せてもらったのですが、彼女の一家は整理券の番号の抽選で選ばれて、再現されたマンモスの画像を背景にしたカラーの家族写真入りの来場記念の新聞を作ってもらっていました。すごく素敵な家族写真でしたよ。
万博会場内では、色々なサプライズ・イベントもあり、運良く抽選等で選ばれると、一生の思い出になる経験ができそうです。
■平日でも多くの人・人・人。
愛知万博は今のところ、当初の予定通りの来場者数があるらしいです。その他の公的な事業のXX博の場合は、予定の利用者数等の数値が非現実的に大きい場合が多く、開催してみたら段々人が来なくなって、最終的には大赤字というケースが多いけれどね。
入場券は4600円と高額で、その日は、平日(月曜日)であったのに、既に多くの来場者で混雑していました。私達は、9時の開場前にゲートに到着したのですが、すでにゲートの前には長蛇の列。セキュリティーの為に入場に際して荷物の検査もあり、長時間(何分ぐらいだったかな?)並んで待つ必要がありました。
5月22日の日曜日の天気が悪くて、翌日の月曜日が良い御天気だったから混んでいたという理由もありましょうが、一般に月曜日には修学旅行や遠足等の来場者が多いらしいし、必ずしもすいていないようです。
人気の国内企業のパビリオン、トヨタ館や日立館等は、開園前に万博会場ゲートに到着していても、パビリオンに到着する前に、終日分の整理券の配布が終わってしまい、会場周辺の住人でさえ、滅多に入れない状態のようです。
特に日本の企業館が観たかったわけでもないし、せっかく万国博覧会だし、比較的すいている海外の国々のパビリオンを中心に回ってみました。それぞれの国に個性があって、それもまたナカナカ楽しかった。
■外国のパビリオン:人々の文化やデザインが粋に思えたり、若干、国家の政治的な臭さを感じることも。A Whiff of National Cool or State Bold Politics.
数分間パビリオンの中を見学したからといって、そこの国の料理や飲み物を楽しんだからといって、その国の表面的なことしかわからないのですが、それぞれの国の違いを短時間のうちに体験・比較できるので、これもまた貴重で面白い経験です。
今回の万博は『自然の叡智』がテーマですが、それに関連して、個人的なパビリオンの印象を語ると…。(印象に残ったものについて、個人的な好き嫌いの世界なんですが。)
①Cool:カナダ館、チェコ館、メキシコ館、サウジアラビア館なんかが良かった。
カナダ館の映像表現が素敵だと思った。『国家』というメッセージは一切なし。しかし、国民というか、カナダという多民族国家において、民族を超えて普遍的に存在する自然の恵みとか感動(sence of wonder)を上手く表現していると思った。観客(来場者)のシルエットも映像の一部になっていて、一体感のある空間芸術でした。
大まかに記憶する限りにおいて、会場内に2枚のスクリーンがあり、観客はまず、1つ目のスクリーンの映像を少し歩きながら鑑賞し、次に2つ目のメインのスクリーンの映像を立ち止まって見ることになります。2つ目のスクリーンには透過性があって、光の強弱によって、1つ目のスクリーン上の映像が部分的に透けて見えるような演出がなされていました。
同じ映像を異なった背景画像や画像の重なりや画像の額縁(フレーム)の変化と共に、2度見る面白さがありました。重ねる画像が実写だったり、アニメーションだったり。科学技術的にハイテクじゃないかもしれないけど、空間と人の視線と動きと音と、色々なもののインターラクションが緻密に計算・制御されていると感じました。
もう一度観てみたい。
チェコ館は木造の階段講義室のような創り。木製で、叩いて音を鳴らすことができる楽器等がありました。最上部にあるスライドのような画像と自分の姿が映る万華鏡が面白かった。
これも国家色はなかった。しかし、芸術的で良い国なんじゃないかな?という気がしました。
メキシコ館は自然と農産物と伝統文化の宝庫なんだぁ!と思わせる美しい展示。
サウジアラビア館は、ぐるっと一周サラウンドの映像が楽しめて、砂漠と石油の国であるだけでなくて、椰子の木々の緑が美しい国なんだなあ、と感じた。鷹を使った砂漠の中でのハンティングとか感動します。表現は妥当かどうかはわかりませんが、イスラムの盟主の品格を感じました。また、石油(原油)の現物をみることができ、容器を傾けて粘度や不純物の違いを体験できます。
②Bold(政治的な強調がめについたかな):アメリカ館、(中国館)、ロシア館とか。
なんとなく国家とか政治とかプロパガンダの匂いや圧力が文化や芸術性を支配している感じが気になった。
アメリカ館は、ベンジャミン・フランクリンをガイド役に、自然の叡智を賛美するのではなくて、自然から学び、技術を進化させたアメリカ人の叡智を強調している感じがした。
うがった見方をすれば、イズムもテクノロジーもアメリカがフロンティアだ!正義だ!みたいな感じかな。 京都議定書も反故にしたし、自然を技術でコントロールできると考えているのかな。
天井から霧雨(水)が降ってきたり、最後に天井を実物の凧が飛んだり、演出やフレンドリーなスタッフの客あしらいの上手さ等々においては、ディズニーランドとか、ユニバーサル・スタジオクラスですね。その点では流石アメリカ館です。
嬉しかったのは、スタッフが乗っているセグウェイ(Segway)を間近に観ることができたこと。
これは立ち乗りの自動二輪車。通常のバイクと異なり、車輪が向かい合って二つ並んでいて、その間に人が立って運転する。コードネームをGinger(生姜)というらしく誕生花が生姜の花で生姜味のものが大好きなJIJIにとっては、ご縁がある(?)ご機嫌な乗り物。時速20キロぐらいしか出ないらしい。米国では運転免許は不要。日本の道路事情ではどうかな?恐らく公道は走れない(だろう)。
ロシア館には、JIJIのお気に入りのチェブラーシカ(ぬいぐるみアニメの主役)が展示してあり、少々嬉しくなる。しかし、平面スクリーンに映るロシアの紹介映像が、昔のニュース映画みたいな感じで古臭く、日本語訳がガチガチな感じだった。
その日の中国館は北京オリンピックの宣伝の為にあるようで、あまり見るものがなかった。手を振動させながら伸ばし、麺を伸ばしていく、まさしくラーメン(引っ張る麺)作り体験ゲームのようなことをしていたが、食べ物を粗末にしているような気もした。自然の叡智については、特に感じるものがなかったかな。
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■その他
メタンハイドレートという海底深くに水の分子に囲まれて凍ったまま存在するメタンが燃えるデモが面白かった。
日本の太平洋側の沖に大量に埋蔵されているらしいエネルギー源。気体が凍っているぐらいですから、冷たい深海にあるわけで、そこから簡単に取り出せるのかどうかはわかりませんが、太平洋側にある資源であれば、中国とモメルこともないし、効率的に採掘できるといいだろうなあ、と思いました。
しかし、気球温暖化が進み、海底に固体として存在するメタンガスが溶けて気化したら、地球の気象変化に与える影響は二酸化炭素どころではないかも。 地球温暖化がさらに加速する?
■(一部)世界の食文化
ウクライナ館の餃子(ペローギ)とネパールの餃子(モモ)とサモワールでだしていて口に角砂糖を含んで飲むイランの紅茶とハバナクラブ(ラム酒)ベースで生のミントの葉が入ったキューバのカクテル(モヒト?)を口にした。名古屋にしては、ちょっと高めの御値段だけど、雰囲気+好奇心も手伝って美味しく頂きました。
キューバ館ではサルサ(ダンス)を踊っちゃったりして、自然の叡智というか人間の陽気さが楽しかったな。
広義の餃子とかラビオリ(小麦粉の麺でミンチを包んだもの)は、西洋にも東洋にも色々ありそうです。小麦粉で作る麺は、食べごたえや味に関して、国を超えた 共通点もあるような気がしました。
できれば、もう1回ぐらい行きたい。
公園としても、庭園や植栽が美しいので、万博閉会後に行っても結構楽しめると思いますよ。