月曜日, 9月 14, 2026

真・行・草、そして、種。

 たまに竹中大工道具館に行きたくなる。木工を習いにいっても、きっちりと良い仕事をする木工職人にはなれないし、いい加減なアバウトさしかない私なのに。

大きな木から木材の切り取り方(正目とか木目とか)を見るとか、特に好きだ。

本音では、寺社仏閣建築よりも、民家建築とか、長年の日本の風土故に、日本のマンション(鉄筋コンクリートの集合住宅)ですら、諸外国とは異なることがひっかかる。その違いのルーツは何だろうか?

西洋との違いの最たるものは、お風呂、バスルーム。日本語では、湯と水があり、お風呂は基本的に湯、あるいは、湯気だ、暖気だ。(冷たい)水ではない。

シャワーの登場なんて最近の話だ。

そもそも風呂おけ(バスタブ)ありき。

バスタブの中のお湯を美しく使う。

風呂おけ(バスタブ)の中で身体を洗い、ゆすぐ、洗剤を流す、なんてことは、そもそもない、しない。風呂おけ(バスタブ)の外でしか、体を洗わない。太古からかどうかは知らないが、戦前からそうだ。

だから、日本のお風呂場は、ゴージャスハウスでも団地でも、タイル張りでもプラスチックの小さいユニットバスでも、チェンバー(風呂場)そのものが、水ハネ、スプラッシュプルーフ。シャワーを勢いよく使用しても、お風呂場のお外に水が漏れない構造。

身体ゴシゴシ洗い放題。洗剤の泡をジャージャー洗い流し放題。

それに対して、欧米のバスルームって、狭いスペースでシャワーだけだったり、バスタブの中でシャワーを流すだけのスタイルが強固に続いている。YouTubeで観る限り、最近の新築のお家でもそうみたいだ。

バスタブにお湯をためて、さめたら追い炊き再加熱して、バスタブで温まる、というようなこともなく、バスタブから出て、水が漏れないチェンバーでシャワーの水を飛び散らせ放題のリラックス感もない。

何故にいまだに、日本のバスルームが、欧米に広まらないのかなあ?欧米の住宅の方が全体的なスペースはあるはずなのだが。

過去から続く、風土に、天候に支配されてきた文化習慣はなかなか変わらないものだ。

ご家庭のお風呂の違いに関して、これといったヒントが得られなかったけれど、職人さんの技のビデオが色々あって、ホテル川久の有名な青い柱のサムネイルを見つけた。

木造の技術がメインなのだが、左官職人のカリスマ、久住章氏のビデオもあった。

ホテル川久の青い柱、大理石を産出しないドイツの技術、左官の技で人造大理石を作る「シュトックマーモル(石膏マーブル)」の技法を自らドイツに習いにいって、日本の職人を集め、習った技術を教えて、白浜の海の色と響きあう青い柱を何本もそろえる。(柱1本億越えのお金をかけちゃったバブルの時代の、こだわりまくった狂気なんだが...。)

シュトックマートルって、実際のところ、どう作るのかわかんないけれど、その青い石のような光沢が子供が光る泥団子を作ろうとする情熱に通じるような気がしなくもない。

久住章氏は、ホテル川久に関わった後、ツルツルピカピカの大理石のような左官技術にとどまっていないところが、凄い。

左官の世界に、真・行・草、があると言っていた。楷書、行書、草書みたいな感じだろうか。

私が一部、漆喰の壁をテキトーに塗って、ラフな味があるよね!という自画自賛というか、きっちり塗れてないことの言い訳のようなものとは違う。

お茶室など、角の処理、色、粗さ、土と礫の混ざり具合、藁のチラシ具合、全部、狙って出している。素材や壁にあわせて、コテから細かく発注されて、ダメ出し、

土着の自然と調和した、土壁の左官もされるんだ、と感動した。

私の好きな土壁は、福岡の大濠公園で、その現物をリアルに見たわけではないのだが、通りすがりのおっちゃんの話しに聞いた外様大名黒田藩の土壁。

兵糧攻めに備えて、土壁の土には種子を練りこんでいて、水をかけたら発芽するようになっていたというもの。

黒田藩が、徹底的に、孤立無援の外様であったのかどうかは知らんけど。

お天気が荒々しく、地震の恐れは日本国内どこにでもあり、天災が牙をむく昨今。毎日、ひたすら、スプラウトを発芽させて食べている。発芽する種は大事であり、有用、食用で、美的な新芽を生み出す。

いざという時、スプラウトのスルフォラファンが、孤独な私の籠城を助けてくれますように。